今週の戦略

今週の戦略:3月6日~3月10日 – 債券安反転の兆しか?

今週の戦略, weekly strategy

先週のサマリー:米国債券上昇、米国株上昇、原油上昇

こんにちはCantomです。

先週は債券、株式、原油が総じて強い一週間になりました。

主要な取引銘柄をまとめると次のような感じです。

  • TLT: 101.89 (+0.91%)
  • TBF: 22.23 (-1.11%)
  • S&P500: 4045.65 (+1.90%)
  • NDQ : 12290.81 (+2.68%)
  • WTI : 79.68(+4.45%)
  • DXY: 104.52 (-0.70%)
  • USD/JPY: 135.80(-0.49%)

週の初めは弱い相場になりましたが木曜日から強い反発上昇となりました。僕はリアルタイムのマーケットを観察しながら、ショートスクイーズに警戒が必要とコメントをしましたが、凄まじい反転が週末に向けて発生しました。長期金利が一時的に4.05%程まで上昇し、「お?」と思う場面がありましたが、フォールスブレイクアウト(騙し)となりました。

Cantom

僕は水曜日にはショートポジションをクローズし、TMFで債券ブルETFに持ち変える流れになりました。結果としてトータルで大きなプラスは有りませんでしたが、ショートスクイーズによるダメージはゼロです。今の環境では金利動向の観察は非常に重要です。投資家にとってバイアスがかかった判断は命取りになります

中長期の視点と戦略

3月4日、原油について更新あり

引き続き長期的なスタンスとしてはFRBの金利引き上げ終了が近いと判断し、米国債券への投資を積極的に検討すべき時期との判断を堅持します。

また中期的には株価全体は緩やかな上昇かレンジ相場を形成する流れが続き、FRBが金融緩和を検討し始めるであろう頃に、本格的なクラッシュが再開すると見ています。恐らくは2023年後半から2024年の早い時期となるとの想定です。急激な金融引締めの悪影響は確実に現れます。

各国の中央銀行は自分たちの影響力を過小評価していたと考えています。コロナ禍以降の高いインフレ率は異次元の金融緩和の影響が大きく、現在進められている金利引き上げとQTは、その間違いを修正するためのプロセスです。今回は急激な引締めという逆方向の政策で同じ間違いが繰り返されると思います。

今回の利上げ後も過去数十年と同じパターンになると考えれば、金利引き下げが近づく頃に資源相場の崩壊、株価クラッシュ、VIXの暴騰、といった現象が起こり始めると思います。このフェーズではインバース商品で短期間で莫大な利益が得られる可能性があります。2023年は債券銘柄を中心に構築し、全体のポジションは軽くしてチャンスに備えておきましょう。(インバース取引を行わない場合は債券は強力なリスクヘッジになります。)

原油先物市場で期先のコントラクトがコンタンゴからバックワーデーションに変わる可能性が出てきました。今後の原油の価格下落に歯止めがかかり、一旦大きめの上昇トレンドが発生する可能性があります。80ドル前半の水準をブレイクするかどうか注目です。

Cantom

原油は引き続きコンタンゴが縮小傾向にあります。バックワーデーションに戻ってしまった場合は、基本的にベア戦略の見直しを検討する必要があります。しかし今後にインフレ指標が低下してくると、需要低下が意識されコンタンゴの拡大と原油価格の下落トレンドが観察できる状況になると考えています。今は微妙なバランスの中にあるので、投資判断には慎重さが求められます。

また前週に書いた懸念の通りDXYの上昇トレンドの短期的な弱まりも見られます。原油は上方向にレンジブレイクすると、急騰する可能性があるので注意してください。(ちなみに前週にコチラで書いた通り懸念していたシナリオが先週は起きました。)

短期的な視点と戦略

それでは今週も短期的なチャンスがないか探って見ましょう。

主要な経済指標

注目のポイント

個人的には3月10日発表の失業率を最重要視しています。

市場予想値は3.4%となっていますが債券や株価を押し上げるには、むしろ失業率がやや上昇したほうがポジティブに解釈される可能性が高そうです。これはFRBの政策がハト派に傾くと解釈され、インフレ期待の低下になることが考えられるからです。

今週は雇用系の指標が多いですが、全体的に悪いニュースは良いニュースと解釈して行くスタンスで良いかと思います。

注目のファンダメンタル

こちらの記事でも書いていますが過去と同じパターンに当てはめると、「CPIYOY」から「一ヶ月短期債金利」を引いた数値がマイナス1辺りなるまで利上げは終わらないので、更に75bpsの利上げを実施したとしても、「CPIYOY」が4.5%以下を記録しないと実現しません。かなり厳しい目標に見えるので金利上昇の流れは簡単には終わらないと考えるのが理にかなっている気がします。

Cantom

僕は今のところ金利上昇ネタの賞味期限はせいぜい残り2-3ヵ月だと考えています。

一方で今週以降の経済指標の結果次第では市場の金利に対する予測は変化することが考えられます。雇用指標結果が悪化し、再来週のCPIも低下すれば、年内利下げの期待感が高まり債券ブルが盛り上がってくる可能性はあります。ここ数週間で急激に金利上昇が進んでいるので、冷静にマーケットを見ていきたいところです。

CME Fedwatch
2023/03/04時点のCME Fedwatch
CPIYOY vs US01MY
現在の「CPIYOY」から「一ヶ月短期債金利」を引いた数値は1.71です。

テクニカル

米国30年債金利

日足チャートです。スローストキャスティクスがダイバージェンスになっている事、三角持ち合いを下方向にブレイクしたように見えることから判断すると、金利低下が継続する可能性が高そうに見えます。急激に進んだ債券安の戻りを確認することになるかも知れません。経済指標の結果次第では債券ブルに有利な流れが継続しそうです。

米国30年債金利
米国30年債金利の日足チャートはトレンド転換の可能性。
S&P500

日足チャートです。米国30年長期債の金利上昇に歯止めがかかったこと、2021年末から続くレジスタンスラインをサポートに反発、というテクニカルを反映して木曜から強い上昇を見せました。このダウントレンドの開始頃に4090辺りで開けた窓を埋めていないので、その辺りまで上昇をしてくる可能性もあります。去年8月から埋められていない窓が4230エリアにも存在するため、金利動向次第では意識される価格帯になるかもしれません(今週の雇用指標と3月14日のCPI次第になるかと思われます)。

Cantom

先日にSVXYの下方ブレイクを確認したことで僕はベア寄りですが、現在の市場環境でポジション構築の前提条件として金利上昇が伴うことが必須です。金利上昇トレンドが新しく確認できるまでは新しくショートポジションは作成しません。

S&P500は埋め切れていない窓がいくつもあります。
ドル円

4時間足チャートです。金利差拡大フェーズは継続中のため円安トレンド継続との判断です。ですが先週から30年債金利が下落し始めているため、中期金利にも影響が波及してくる可能性があります。雇用指標の悪化やCPIの下落が確認された場合は、円安トレンドが終了することもシナリオとして想定しておくと良いかもしれません。テクニカル的にはサポートラインで支えられるか注目していきましょう。

USDJPYの4時間足チャート
4時間足のサポートラインを割らない限りは円安トレンド続行です。
日米5年債金利差

週足チャートです。引き続き日米の金利差縮小のトレンドが反転した状況と判断しています。来週以降は金利差拡大のペースは鈍化するのではないかと考えていますがトレンドは継続すると考えています。金利差縮小のトレンドが発生するには「FRBの政策金利引き上げ終了予測」か「日銀の金融引締め開始予測」が重要なカギになってきます。そういった意味では今週の雇用指標や、3月10日に予定されている日銀政策決定会合が重要な意味を持つ可能性があります。今週は少し方向感のハッキリしない動きが続いた後に、週末に向けて今後の方向性が見えて来るかと思われます。

Cantom

今週はドル円がやや円高で着地しましたが米国金利が若干低下した動きを反映したものだと思われます。

今週も日米金利差の拡大は継続しました。
原油

今回は「CL1!/CL2!*100」というオリジナルチャートで分析します。これは週足のもので100未満でコンタンゴ、100以上でバックワーデーションを示すチャートになります。僕はここ数か月ほど原油はコンタンゴ環境下であったため価格が崩れていくことを期待していましたが、バックワーデーションになれば理論が成立しないため作戦の見直しが必要です。この合成チャートの週足はストキャスティクスの精度が高い傾向があるため、原油はさらなる上昇の可能性も考慮しておきたいところです。(分かりやすい環境になれば攻めます。)

Cantom

これは原油先物のコントラクトを比較して、ブルとベアのどちらが有利かを判断しやすくしたものです。バックワーデーションへの回帰によって上方ブレイクの可能性が高まってきています。

「CL1!/CL2!*100」の週足チャート。現在は99.87です。
こちらは原油の週足チャートです。

今週の戦略方針

先週は相場の雰囲気が少し変わったような雰囲気を受ける一週間でした。僕は様子を見ながら基本的にTMFなどの債券ブルETFで相場にエントリーをしていく方針です。雇用指標に注目しながら相場動向を追っていきましょう!

参考になれば幸いです。

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