先週のサマリー:米国債券下落、米国株下落、原油下落
こんにちはCantomです。
先週は債券、株式、原油が総じて弱い一週間になりました。
主要な取引銘柄をまとめると次のような感じです。
- TLT: 100.97 (-1.38%)
- TBF: 22.48 (+1.49%)
- S&P500 : 3970.05 (-2.67%)
- NDQ : 11969.65 (-3.14%)
- WTI : 76.45(-0.14%)
- DXY: 105.26 (+1.33%)
- USD/JPY: 136.47(+1.74%)
やはり金利上昇とドル高の影響がテーマとして続く形になりました。
CantomはSPXUで月曜の利食い後に戻り売りを狙っていましたがチャンスが無く少し惜しいことをしました。その後にTMFで金利の反落を狙ったトレードで利益を伸ばして最終的に+4%程度の結果となりました。チャンスは多かったですが、兼業とれーだーのの難しさを感じたところです。来週以降に生かしたいところです。
Contents
中長期の視点と戦略
2月25日追記あり
引き続き長期的なスタンスとしてはFRBの金利引き上げ終了が近いと判断し、米国債券への投資を積極的に検討すべき時期との判断を堅持します。
また中期的には株価全体は緩やかな上昇かレンジ相場を形成する流れが続き、FRBが金融緩和を検討し始めるであろう頃に、本格的なクラッシュが再開すると見ています。恐らくは2023年後半から2024年の早い時期となるとの想定です。急激な金融引締めの悪影響は確実に現れます。
各国の中央銀行は自分たちの影響力を過小評価していたと考えています。コロナ禍以降の高いインフレ率は異次元の金融緩和の影響が大きく、現在進められている金利引き上げとQTは、その間違いを修正するためのプロセスです。今回は急激な引締めという逆方向の政策で同じ間違いが繰り返されると思います。
今回の利上げ後も過去数十年と同じパターンになると考えれば、金利引き下げが近づく頃に資源相場の崩壊、株価クラッシュ、VIXの暴騰、といった現象が起こり始めると思います。このフェーズではインバース商品で短期間で莫大な利益が得られる可能性があります。2023年は債券銘柄を中心に構築し、全体のポジションは軽くしてチャンスに備えておきましょう。(インバース取引を行わない場合は債券は強力なリスクヘッジになります。)
- 債券ETF購入のタイミングはこちらの記事で解説しています
原油先物市場で期先のコントラクトがコンタンゴになっている事に注意が必要です。これはマーケットが将来の供給が需要を上回る期待が高いことを示唆しています。今後、原油の価格下落が加速する可能性があるため要注意です。
原油については長期金利の上昇とDXY(ドル指数)上昇は追い風ですが、2月2週にロシアによる減産が発表されてからコンタンゴが縮小気味になっています。長期的なスタンスは変更なしですが、現在の環境で原油をトレードする場合は、戻り高値を売る方針で攻めるのが安全です。万が一バックワーデーションになった場合は、無理して原油のショートは行わないのが無難です。ドル高トレンドが弱まると急騰する可能性があるので注意してください。
また2月25日時点でコンタンゴが解消されそうな状況になっています。現時点では安易なショートはリスクが高い状況に見えます。原油ベアは警戒感を強めておいた方が良いかもしれません。
短期的な視点と戦略
それでは今週も短期的なチャンスがないか探って見ましょう。
主要な経済指標
注目すべきポイント
今週は3月1日発表のISM PMIに注目です。
引き続き長期債券の金利上昇をメインシナリオにしつつ、金利反落局面での株価反発に注目していくのが良いと思います。長期金利の動向を丁寧に見て行くと株価動向が判断できることが多いので、債券のチャートを中心に眺めて行くと良いかもしれません。
引き続きS&P500やナスダックはギャップを埋めることが出来ていません。基本的に上昇圧力は限定的の様に見えますが、ベアで攻める場合はショートスクイーズに注意をしておきたいです。
個人的にSVXYのチャートが週足トレンドラインを下方ブレイクしたことに注目しています。前回にこれが発生したのは昨年の8月ですが、その後S&P500は4300ドルから3500ドル程度まで約800ドル下落しました。前回と同様に金利上昇局面での株価下落が開始しています。これからの株価下落は甘く見ない方が良いかと思います。
注目のファンダメンタル
PCEの結果を受け、先週に続いて市場の利上げ期待は強化されたようです。こちらの記事でも書いていますが過去と同じパターンに当てはめると、「CPIYOY」から「一ヶ月短期債金利」を引いた数値がマイナス1辺りなるまで利上げは終わらないので、更に75bpsの利上げを実施したとしても、「CPIYOY」が4.5%以下を記録しないと実現しません。かなり厳しい目標に見えるので金利上昇の流れは簡単には終わらないと考えるのが理にかなっている気がします。
テクニカル
米国30年債
日足チャートです。指摘していたガス抜きが出来たのではないかと考えていますが、4時間足で見ていくとレンジ内での動きが続いていることが確認できます。ブレイクした方に大きめに動くことが想定されるので時間足を短くして方向感を見失わない様にしたいところです。
S&P500
日足チャートです。2022年1月から長く続くレジスタンスラインを背中にして、反発を試しても違和感は無さそうチャートに見えます。週の前半はショートスクイーズに警戒をしておいた方が良いかと思います。長期金利の上昇が続き下値を引き続き探れる地合いであれば、3850あたりまでの下落は比較的容易に達成が出来そうです。SVXYのトレンドの崩れは確認済みです。株価が上がった局面でショートを入れるのが戦略として機能しそうです。
SVXYの下落トレンド入りは昨年の8月以来の事です。ベア勢は楽しみな状況になっているはずです。
ドル円
週足チャートです。先週は想定していた以上に上昇圧力が強い状況が続きました。比較的大きなトレンドの中にあるようです。債券金利の下落する局面が若干見られましたが、戻りは少なく金利上昇を確認するとドル円の上昇は継続する流れになりました。引き続き金利動向を追いながらトレンドに追随する方針で良いかと思います。基準線のある139.5円あたりが一つのメドには見えます。
日米5年債金利差
週足チャートです。引き続き日米の金利差縮小のトレンドが反転した状況と判断しています。来週以降は金利差拡大のペースは鈍化するのではないかと考えていますがトレンドは継続すると考えています。金利差縮小のトレンドが発生するには「FRBの政策金利引き上げ終了予測」か「日銀の金融引締め開始予測」が重要なカギになってきます。そのような具体的材料が出てくるまでは基本的に円安シナリオで問題ないと思います。
原油
日足チャートです。先週は行って来いの動きになりました。コンタンゴの解消が目前に迫っており、短期的には更に上昇トレンドに発展してしまうリスクがありそうです。ドル高の影響もあるので極端な上昇は想定していませんが、頭の片隅に情報として置いておいた方が良さそうです。いずれにしても比較的小さいレンジの中での動きが続いているため、レンジブレイクした場合は大きめのトレンドになると考えています。先週と同様に今はもっと簡単な選択肢があるため債券や株式ショートにフォーカスするのが良いかと思います。
今週の戦略方針
先週はSVXYが下抜けたことが重要なサインになりました。僕は金利動向を観察しながら、SPXUやUVXY等の銘柄を使ってベアスタンスで相場に向き合っていく予定です。
今回の記事が参考になれば幸いです!