今週の戦略

今週の戦略(2023年):4月17日~4月21日 – 金利の反発が続くか確かめて行きたい

今週の戦略, weekly strategy

先週のサマリー:米国債券下落、米国株上昇、原油上昇

こんにちはCantomです。

先週は株価と原油が強く、債券が弱い一週間になりました。

主要な取引銘柄をまとめると次のような結果です。

  • TLT: 105.08 (-3.18%)
  • TBF: 21.38 (+3.43%)
  • S&P500: 4137.63 (+0.79%)
  • NDQ : 13079.52 (+0.13%)
  • WTI : 82.52(+2.76%)
  • DXY: 101.58 (-0.50%)
  • USD/JPY: 133.73(+1.21%)

金利と株価の相関が崩れが観察される一週間となりました。株式市場が強気すぎるのではないかと感じますが、CPIが下落していたことでソフトランディングの期待が高まった結果かもしれません。

中長期の視点と戦略

4月16日時点で見通しの変更はありません。

引き続き長期的なスタンスとしてはFRBの金利引き上げ終了が近いと判断し、米国債券への投資を積極的に検討すべき時期との判断を堅持します。

また中期的には株価全体は緩やかな上昇かレンジ相場を形成する流れが続き、FRBが金融緩和を検討し始めるであろう頃に、本格的なクラッシュが再開すると見ています。恐らくは2023年後半から2024年の早い時期となるとの想定です。急激な金融引締めの悪影響は確実に現れます。

各国の中央銀行は自分たちの影響力を過小評価していたと考えています。コロナ禍以降の高いインフレ率は異次元の金融緩和の影響が大きく、現在進められている金利引き上げとQTは、その間違いを修正するためのプロセスです。今回は急激な引締めという逆方向の政策で同じ間違いが繰り返されると思います。

Cantom

2023年3月からの銀行危機の進展次第ではシナリオの前倒しもあると考えています。

今回の利上げ後も過去数十年と同じパターンになると考えれば、金利引き下げが近づく頃に資源相場の崩壊、株価クラッシュ、VIXの暴騰、といった現象が起こり始めると思います。このフェーズではインバース商品で短期間で莫大な利益が得られる可能性があります。2023年は債券銘柄を中心に構築し、全体のポジションは軽くしてチャンスに備えておきましょう。(インバース取引を行わない場合は債券は強力なリスクヘッジになります。)

原油はバンド内の動きを想定していましたが、OPEC+の減産によってテクニカル的な水準が壊されてしまいました。82辺りのレジスタンスを越えたため最大で95ドル程度までの上昇はあり得ると考えています。バックワーデーションの解消まではショート戦略は危険との認識です。

短期的な視点と戦略

それでは今週も短期的なチャンスがないか探って見ましょう。

主要な経済指標

注目のポイント

個人的には注目しているのは失業保険申請数です。

市場に与えるインパクトが大きな指標は多くはないと考えていますので、今週はテクニカル中心で対応を考えていきたいところです。

注目のファンダメンタル

こちらの記事でも書いていますが過去と同じパターンに当てはめると、「CPIYOY」から「一ヶ月短期債金利」を引いた数値がマイナス1辺りなるまで利上げは終わらない想定ですが、5月の25bps利上げで終了だとすると、「CPIYOY」が4.25%以下を記録しないと実現しません。またFRBは銀行危機の対応で一時的に流動性を確保しているようですが、これは将来的にインフレ懸念の材料になってくる危険性が高いと思います。今後どこかでQTを再開する方法で引き締めを継続するのかもしれません。

Cantom

最新のCPIYOYは5.0%となりました。転換点が近いことは間違いが無さそうですが、米国の失業率が3.5%と低い状況です。インフレの芽が摘み取られたと楽観することは難しく、FRBがインフレ潰しの手を簡単に緩めると考えるのは危険でしょう。

CME Fedwatchを見たところ先週よりも利上げ期待が若干上昇しています。
現在の「CPIYOY」から「一ヶ月短期債金利」を引いた数値は0.77です。
Cantom

このペースだと6月頃までは追加利上げの可能性が話題になっているかもしれませんね。

テクニカル

米国30年債金利

週足チャートです。CPIYOYの結果は金利低下圧力になると考えられる物でしたがテクニカル通りの動きとなりました。先週の分析でTMVが良い選択肢になると書きましたが、実際に+10%程度の動きになりましたね。しっかりとポジション取りをされた読者さん方、大きな利益獲得おめでとうございます。金利の上昇目途である3.75%も正確に当て切ることができました。

ここからの動きですが週初にやや金利低下を挟んでから再上昇をすると想定しています。僕は長期的に債券ブルですがTMFやTLTのエントリーは焦らなくても良いと思います。短期的には債券安を利用して利益を積み上げる方が得策ではないでしょうか。

週足でも米国30年債金利はベアフラッグの下限での反発が確認できました。
S&P500

週足チャートです。引き続き大きな環境認識の違いはありません。週足ベースでの上値抵抗線をブレイクしたことで上昇トレンドに転換した可能性があります。冒頭でも触れたのですが金利上昇は株価にとって下落圧力のため積極的に買いで向かう必要はないかと考えています。無理して株価を追うのではなくキャッシュポジションを多めにホールドしたり、債券やゴールド等に目を向けるのも良いアイディアかもしれません。いずれにしてもブルトレンドと考えて追随するのであれば慎重に入りたいところです。

S&P500は上昇が続くと仮定するとバンド上限の4300越えもあり得る環境に見えます。チャート的には4月後半辺りに天井を付けそうな雰囲気があります。今後の展開が注目されます。
ドル円

週足チャートです。先週はやはり上値が重い動きになりましたね。先週の分析通りの戦略通りに133.5円での利食いをすれば、100pips以上の利益を確定できていたと思うのでまずまずでしょう。問題は来週の動きですが動きが非常に読みにくいです。DXYも上方向のブレイクに失敗しているのが気がかりですが、下でも紹介する日米5年債金利差の方向を考慮するともう少し円安トレンド継続がメインシナリオとなりそうです。来週は方向感が薄いことが考えられますが、再来週以降に137円くらいまでの動きが出てくるかもしれませんね。

一方で長期的には円高がメインシナリオである見方に変更はありません。

基本的に円安目線も上値が重い展開を想定しています。
日米5年債金利差

週足チャートです。週足単位で見るとスローストキャスティクスの動きが気になりますね。金利分析において精度が高いのは見ての通りで、一時的に日米金利差が再拡大と考えておいて良さそうです。これは結果的に円安シナリオに繋がるものなので注意深く動向を追跡しておきたいところです。

一方で長期的には日米金利差は縮小に向かって行く可能性が高いと考えています。トレンド再開は米国債の価格上昇と並行して進む見込みです。

CPIの結果は意外にも無風に近いものでした。金利差は一時的に再拡大か?
原油

週足チャートです。先日OPEC+の減産決定で完全にチャートとシナリオを破壊されてしまいました。不確定要素が多くなってしまったため投資対象としてはノータッチにしていますが、他のリスク資産の投資タイミングを見極める上で観察は続けていきます。可能性の1つとしては10月の高値である93ドル程度までの上昇もあるかもしれません。そこを突破すれば雲の上限あたりも意識されそうです。

いずれにしてもバックワーデーションの状態になっているため売りで攻めにくい環境です。じっくりと好機を待ちたいところです。

原油の週足チャート。窓開けは無視されたまま上昇か?

今週の戦略方針

来週も読みにくい動きが続きそうですが金利上昇をメインシナリオとした戦略設計が機能しそうです。引き続き有利な銘柄で勝負をしていくようにしたいですね。

参考になれば幸いです。

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