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FRBの金融引締め終了をチャンスに変えよう
こんにちはCantomです。
FRBの金融引締め転換の時期を知ることは投資家にとって最も重要なことの一つです。これは船乗りが潮流を読むのと似ていて、目的地(利益)に至るために必要な手段を知る手がかりになるからです。今回は一般的に金融機引締めの転換点を見極める方法として有効だと思われる分析手法をいくつか紹介します。
歴史的に引締め終了時期は米国債投資の絶好のチャンスになります。
Cantom流のテクニカル分析
この方法は僕が独自に使っている分析手法で過去20年間において高い精度であることが確認できています。
この手法は至ってシンプルで次の計算式を利用します。
- (“U.S. Consumer Price Index (CPI) YoY”) – (“United States 1-Month Bond Yield”)
そしてここで出た数値がマイナス圏であることが確認出来たらFRBの金利引き上げは終了と判断します。
実際のチャートを使い確認してみましょう。
このため2023年現在の環境ではCPIの数値にはしっかりと注目していく必要があります。
CPIの発表を行っている米国のU.S. BUREAU OF LABOR STATISTICSは下の画像のように年間の発表スケジュールを公開しているので確認をしておくと良いと思います。
CME Fedwatch
とても有名なツールでご存知の方も多いかもしれませんが市場参加者のコンセンサスをヒントにすることができます。CME Fedwatchのページに進みProbabilitiesのタブをクリックすると想定されるFFレートの変動スケジュールを見る事ができます。この予想値や確率は毎日の様に変動しています。過信しすぎないように注意しておくと良いかもしれません。
CME Fedwatchに関して言えば指標結果等を受けて変動するため、短期的な相場のトレンドを読み解くのに使うこともできます。
実際のトレードにどの様に生かすか?
長期か短期かで投資家としての対応が異なって来るので、それぞれのケースに分けて解説します。
長期トレードの場合
長期トレードの場合は政策金利の引き上げ終了を受けてTLT等の債券ブルETFを持つことを考えてみると良いです。たまに外貨定期預金はどうですかという質問がありますが、金利こそ高い時期ですが再投資するには円転が必須だと考えると、為替手数料と為替変動のコストが高すぎるように見えます(米国居住者が定期預金をするのであれば手堅い選択肢だと思います。)。一方で債券銘柄の長期トレードは金利を受け取りながら差益を狙える事、そして確定した米国ドルで株式などに再投資できることを考えると、どうしても旨みの薄い外貨定期預金はオススメしにくいと考えています。(通常は債券上昇局面では通貨価値は下落をします。)
米国のは債務上限問題でCDSが急騰していて心配される方がたまにいますが、2022年度にイギリスの財政政策発表で市場が混乱し急騰したものの、すぐに中銀と政府により鎮火されて50近くから6.8まで急落しています。米国は”Too big to fail”であるためデフォルトについては同様に心配はいらないと考えています。(実際には10月は英国債の最高の買い場になりました。)
短期トレードの場合
テクニカル分析を使いながらCPIなどの経済指標を見て対応を行うことになると思います。例えばCPIが市場の予想値を上回った場合はインフレ期待が上昇すると考え、「金利上昇=債券下落」といった反応が起こると想定されます。基本的にはテクニカル分析での対応で良いと思いますが、イベントリスクを理解するためにも経済カレンダーを見ておくと良いと思います。
楽天証券の経済カレンダーが見やすくて良いですね。
参考になれば幸いです。
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