今週の戦略

今週の戦略(2023年):4月10日~4月14日 – 金利反発の勢いを確認しなければいけない一週間へ

今週の戦略, weekly strategy

先週のサマリー:米国債券上昇、米国株均衡、原油上昇

こんにちはCantomです。

先週は債券と原油が強く、株価は方向感の弱い一週間になりました。

主要な取引銘柄をまとめると次のような結果です。

  • TLT: 108.53 (+2.29%)
  • TBF: 20.67 (-2.18%)
  • S&P500: 4105.03 (-0.10%)
  • NDQ : 13062.60 (-0.90%)
  • WTI : 80.70(+6.29%)
  • DXY: 102.10 (+0.00%)
  • USD/JPY: 132.16(-0.45%)

金曜日の失業率が市場の予想値よりも良かったことでリセッション不安による金利低下に歯止めがかかりました。しかしテクニカル的には想定しやすい動きであったともいえます。詳しくは30年債利回りの分析で解説します。

Cantom

OPEC+の減産ニュースが入ったことで原油価格が暴騰しました。中期的な原油下落トレンドはキャンセルされたとの判断になりました。

中長期の視点と戦略

4月7日時点では原油に関する見通しの変更があります。

引き続き長期的なスタンスとしてはFRBの金利引き上げ終了が近いと判断し、米国債券への投資を積極的に検討すべき時期との判断を堅持します。

また中期的には株価全体は緩やかな上昇かレンジ相場を形成する流れが続き、FRBが金融緩和を検討し始めるであろう頃に、本格的なクラッシュが再開すると見ています。恐らくは2023年後半から2024年の早い時期となるとの想定です。急激な金融引締めの悪影響は確実に現れます。

各国の中央銀行は自分たちの影響力を過小評価していたと考えています。コロナ禍以降の高いインフレ率は異次元の金融緩和の影響が大きく、現在進められている金利引き上げとQTは、その間違いを修正するためのプロセスです。今回は急激な引締めという逆方向の政策で同じ間違いが繰り返されると思います。

Cantom

2023年3月からの銀行危機の進展次第ではシナリオの前倒しもあると考えています。

今回の利上げ後も過去数十年と同じパターンになると考えれば、金利引き下げが近づく頃に資源相場の崩壊、株価クラッシュ、VIXの暴騰、といった現象が起こり始めると思います。このフェーズではインバース商品で短期間で莫大な利益が得られる可能性があります。2023年は債券銘柄を中心に構築し、全体のポジションは軽くしてチャンスに備えておきましょう。(インバース取引を行わない場合は債券は強力なリスクヘッジになります。)

原油はバンド内の動きを想定していましたが、OPEC+の減産によってテクニカル的な水準が壊されてしまいました。82辺りにレジスタンスがあるため、一度ここで跳ね返される可能性は高いと考えていますが、この水準を超えるかどうかに注目です。

短期的な視点と戦略

それでは今週も短期的なチャンスがないか探って見ましょう。

主要な経済指標

注目のポイント

個人的には4月12日発表のCPIYOYに注目しています。

市場予想値は5.2%となっていますが、市場予想よりも高い数字が出れば金利上昇が加速していくことが考えられます。基本的に失業率とインフレ率は逆相関の傾向が強いため、先週からの流れを引き継いだとしても驚きはありません。余程のサプライズが無い限りは前週の金利低下の流れを引き継ぐことは出来ないと考えています。

注目のファンダメンタル

こちらの記事でも書いていますが過去と同じパターンに当てはめると、「CPIYOY」から「一ヶ月短期債金利」を引いた数値がマイナス1辺りなるまで利上げは終わらない想定ですが、前回の利上げで終了だとすると、「CPIYOY」が4.0%以下を記録しないと実現しません。またFRBは銀行危機の対応で一時的に流動性を確保しているようですが、これは将来的にインフレ懸念の材料になってくる危険性が高いと思います。今後どこかでQTを再開する方法で引き締めを継続するのかもしれません。

米国の失業率はまだ3.5%と低いためFRBがインフレ潰しの手を簡単に緩めると考えるのは危険でしょう。

CME Fedwatchを見たところ先週よりも利上げ期待が若干上昇しています。
現在の「CPIYOY」から「一ヶ月短期債金利」を引いた数値は1.48です。
Cantom

このペースだと6月頃までは追加利上げの可能性が話題になっているかもしれませんね。

テクニカル

米国30年債金利

日足チャートです。金曜日発表の失業率が予想値を下回ったことで金利下落の流れが転換しました。当面は金利上昇がどこまで続くのかにフォーカスをしていくことになります。この流れを短期トレードに活かすのであればTMVが良い選択肢になりそうですが、12日にはCPIの発表があることを忘れないように気をつけたいところです。

市場予想よりもインフレ率が大きく鈍化している場合は、一気にベアフラッグの下限をブレイクすることも考えられます。短期的には金利は3.75%程度まで上昇すると見ておくとよいかもしれません。一方でインフレ率が高止まりしている場合は3.9%辺りまで上昇トレンドが発展する可能性もあり得ると考えています。

Cantom

今週はベアフラッグの下限で金利が跳ね返されたことが確認できました。テクニカルチャート的には説明がつくもので、4時間足ではダイバージェンスも発生していました。強気で攻めすぎるべきではないとツイートしていた理由です。

米国30年債金利はベアフラッグの下限で綺麗に跳ね返されました。
S&P500

週足チャートです。先週と大きな環境認識の違いはありません。週足ベースでの上値抵抗線をブレイクしたことで上昇トレンドに転換した可能性がありますが、ヘッド&ショルダーを形成する可能性もあるので安心しきるのは早いかもしれません。金利上昇は株価にとって下落圧力のため、今回の失業率低下で上昇の流れが出来たとしても小さな動きになると考えています。ブルトレンドと考えて追随するのであれば慎重に入りたいところです。先週と同様に個人的には債券の方がリスクとリターンが計算しやすい環境に見えます。

Cantom

僕は長期戦略には積立でのインデックス投資も少し混ぜていますが、来週も短期トレードでは入りにくい環境との認識です。金利上昇となれば尚更です。株価が上昇したとしても鈍い動きになると思われます。

S&P500は上昇が続くと仮定するとバンド上限の4300越えもあり得る環境に見えますが、日足ベースで窓を開けていることや、金利の方向性がまだ明確でない点を考慮すると判断を急ぐ必要はなさそうです。
ドル円

4時間足チャートです。先週は分析通りにやや円高の動きが見られました。金利上昇を背景に円安トレンドへの発展が期待されるところですが、前提条件としてDXY(ドルインデックス)のトレンド転換も確かめたい状況です。基本的に米国は利上げ終了が近いため日米中期債の金利差の拡大余地は大きくありません。円安にベットするのであればDXYのトレンド転換確認後にエントリーが安全だと思いますが、円安は短命と考えて小さく利食いをする戦略が良さそうです。133.5円から上はCPIの結果次第というところでしょう。

もう少し長い目で見た場合は円高がメインシナリオであることに変更はありません。

基本的に円安目線も上値が重い展開を想定しています。
こちらはDXYの日足チャートです。ドル円ロングの強気を確認するにはDXYの転換が必須でしょう。
日米5年債金利差

日足チャートです。特に見通しの変化は無く日米金利差の縮小にトレンドは転換した可能性が高いと考えています。これまで通り「FRBの政策金利引き上げ終了予測」か「日銀の金融引締め開始予測」が重要なカギになってきますが、最近の銀行危機を発端として「金融危機 > FRBの政策転換」が連想されるシナリオの完成を見たと考えています

Cantom

本来であればCPIの結果を受けて円安で強気に攻めたいところですが、大きな流れとしては円高トレンドの中のさざ波との認識です。日本では増税の話も持ち上がっているようですが、増税は金融引締め効果があります。円安の流れに過度な期待はしない方が良さそうです。

失業率発表でやや金利差拡大に動くも、僕は大きな動きになるとは想定していません。CPIの数値次第です。
原油

日足チャートです。OPEC+の減産決定で完全にチャートとシナリオを破壊されてしまいました。手元の情報をベースに切り替えていく必要がありますね。ひとまずは中期的には下落トレンドが終了との判断になりますが、そのままグングンと上昇していくとは考えていません。窓開けをしていること、ストキャスティクスが高いエリアにあることから、一旦73辺りまでの反落を挟んで逆三尊の形成をイメージしています。

Cantom

OPEC+の減産決定により原油はほぼバックワーデーションの状態になりました。仕切り直しですね。

原油の日足チャート。インバーテッドヘッド&ショルダーを意識する状況に。

今週の戦略方針

僕はCPIの結果をみるまでは積極的なポジション取りを予定していませんが、CPI発表までは失業率の余波の金利上昇を利用した短期トレードが良さそうです。CPIの結果を受けてからが本番となりますが、指標結果を見ずにギャンブル性のあるポジション作成をしないことが大事です。来週も有利な銘柄で勝負をしていくようにしたいですね。

参考になれば幸いです。

\最新のマーケット情報の収集はこちら/

\これから株式投資を始める方はこちら/

\これからFXを始める方はこちら/

\投資環境は疲れにくい15.6インチ以上の大画面がオススメ/

-今週の戦略
-, , , , , , , , , ,