商品 理論

商品(3):コンタンゴとの付き合い方

What is contango? コンタンゴとは?

こんにちはCantomです。

前回に続いてコモディティ(商品)の投資において最重要課題の一つ、コンタンゴについて解説をしたいと思います。このコンタンゴという現象は、バックワーデーションよりも頻繁に観察されます。付き合い方によっては非常に有利にトレードを進めることができるので確実に押さえておきましょう。

コンタンゴに関しても保有ポジションに与える影響を理解をしてから投資を始めないと大ケガをしてしまうことがあります。(案外コモディティ投資で大損をしてしまう理由はコンタンゴ効果によるものかもしれません。)

それでは本題に入って行きましょう!

コンタンゴとは?

先物市場で現在の価格(スポットプライス)が将来のコントラクトの価格よりも低い状態です。最も一般的なコモディティ投資の方法はCFDになるかと思いますが、この時に提示される価格(スポットプライス)はコントラクトのロールオーバー毎に調整されます。例えば原油のスポットプライスが$80.00の時に、次のコントラクトの価格が$80.50、そのまた次が$81.00になっているといったイメージです。

コントラクトの確認をするにはYahoo! FinanceのFuturesの項目が便利だと思います。

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コンタンゴは期先のコントラクトに貯蔵コスト等を加味した価格です。そのためコンタンゴが通常の状態だと考えられます。様々なコモディティの中でも天然ガスは特に貯蔵コストが高い商品です。天然ガスでバックワーデーションが発生することは特に異常な事態で、需要破壊に至った時の反動落は凄まじいものがありますよ!(2022年末にコンタンゴ回帰を確認しショートポジションを構築したトレーダーさんお見事!)

いつコンタンゴは起きるの?

供給が需要を越えている時に発生します。比較的頻繁に見られる現象ですが、発生する時期によっては経済状況に対して警戒すべきシグナルになります。例えば金融引締めや、不況の到来でバックワーデーションからコンタンゴに転換した場合は需給バランスが急激に転換し始めている可能性があります。2022年から2023年までの環境について言えば、米国FRBはインフレ潰しの目的で金融引締めを行い経済全体の需要を冷やしています。中央銀行が需要を下げたいのに需要が更に過熱して価格が上昇すると結論付けるのは難しい印象を受けます。

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通常は生産者は価格が上がるともっと儲けるために生産量を増やしたり、新しいサプライヤーが現れることで供給量が増えると考えられます。2022年は国際政治絡みの原油増産に関するニュースが多かったですが、FRBが需要を必死に冷やしている状況なので、供給量が増える頃にはどうなるやら・・・といった印象をCantomは覚えます。コンタンゴについてはChatGPTとの会話もすごく興味深いものだったので読んでみてください。

投資家にとって影響はあるの?

コンタンゴも投資家としてはとても重要です。バックワーデーションと同じで、一日の中でトレードを全て完結するデイトレーダーであれば市場のモメンタムが分かる程度の影響になると思いますが、スイングトレーダーになるとコントラクトのロールオーバーによる影響が大きく出てきます。コンタンゴ発生時にロングポジションを持っている場合は、ロールオーバー時に次のコントラクトの価格差分だけ「安く売って高く買い直す」を自動的に繰り返していきます。そのためロングポジションホルダーにとって非常に不利になる一方で、ショートポジションのホルダーは逆にとても有利な立場となります

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コンタンゴを利用してショートポジションを長期保有して利ザヤを稼ぐ方法を「さや滑り取り」と言います。ロスチャイルド家はこの手法を使って莫大な利益を得ました。現代であれば天然ガス、トウモロコシ、VIX指数でやっている玄人トレーダーがいますね。

天然ガスのインバース型ETFのHNDの長期チャートです。貯蔵コストが高い商品でコンタンゴを味方に付けたトレードは凄まじい爆発力があります。

コンタンゴを味方に付けたトレード戦略

一般的な戦略としてはコンタンゴに気が付いたらCFDでショートポジションを構築するか、インバース型のETF/ETNなどの銘柄で取引をする方法が安全だと思われます。CFD以外の関連した投資銘柄を挙げるので興味がある方は参考にしてみてください。バックワーデーションから転換後すぐの時期であれば、やや長めのスパンでポジションを保有することも悪くないかもしれません。

  • 2039 日経・JPX原油インバース指数
  • DRIP Direxion デイリー S&P 石油・ガス探鉱・生産 ベア2 倍 ETF
Cantom

Cantomはカナダ在住のためHOD,HOU, HND, HNU, SCO, UCOなどの商品で取引をしていますが基本は同じです。

今回の情報が参考になれば幸いです。

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