金利差のワナにご注意を
こんにちはCantomです。
金利シリーズで債券についてかなり掘り下げてきましたが、日本の投資家に人気のUSD/JPYの為替レートの読み方について解説します。一般的にマクロ経済学では金利が高くなると通貨価値が高くなると教わりますが、為替レートの決定は基本的に相対的な問題になることに注意しないといけないと思います。そして債券(特に中期債の金利差)をマスターすることで為替レートの分析方法のレベルが格段にアップします。
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FXトレーダーがやってしまう最大の間違い
また短期金利が高いからとスワップポイント目的でその通貨をレバレッジをかけてにホールドするパターンが多いと思いますが、原則として為替は長期保有に向いた投資商品ではないと考える事をオススメします。それは次の理由によるものです。
- スワップは短期の政策金利変更によりすぐに優位性が失われる。
- 金利が低下するとスワップが殆どなくなるためメリットのない塩漬けが続く。
- 金利差が縮小した時期は金融緩和時の場合が多く、塩漬けすると株式などの魅力的な銘柄に投資ができなくなる。
USD/JPYペアの上手なトレンドの読み方
USD/JPYのペアについて考えた場合は両国間の中期債券の金利差のトレンドに従うと精度が高いです。金利シリーズの前回までの記事でも触れましたが、国債は中央銀行が金融政策にの変更により方向性の操作が可能な投資商品です。つまり投資家の黄金則である「中央銀行には逆らうな。 = Don’t fight the Fed.」のルールに従うのが安全と言えるわけです。
実際に「米国5年債金利から日本5年債の金利を引いて作成したチャート」をお見せします。パープルの線がドル円レートなのですが、キレイにトレンド追従しているのが見て取れます。2023年に関して言えばアメリカが政策金利を引き上げるのを停止することが見込まれています。政策金利引き上げ停止をピークに債券価格がボトムアウトする習性に従えば、今後のドル円レートの方向性が明確に見えてきます。
Cantomが2023年は債券を買い増している理由も分かっていただけるかと思います。高金利の債券を買い金利配当を受け取りながら、債券価格が十分に上がりきった所で売り抜けるわけです(金利低下=債券価格上昇)。FXでスワップを追いかけていたら政策金利が下がって、スワップは無い状態で塩漬けで身動きができなくなってしまう可能性もあるでしょう。レバレッジをかけていたらロスカットもあり得ます。
為替との付き合い方
日本ではFXが投資商品として人気ですが、Cantomはプロ向けの商品と認識しています。スワップポイントという誘惑に惑わされず、比較的短い時間枠でのトレードに徹すると良いかと思います。
FXを投資対象として選ぶ場合は、「5年債の金利差が拡大局面にあるのか、それとも金利差が縮小局面にあるのか」をしっかりと理解したうえでトレードをしてみてください。
- 金利差拡大局面の場合は円安(USD/JPYの場合)
- 金利差縮小局面の場合は円高(USD/JPYの場合)
この記事が参考になれば幸いです。
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